2009-11-26

コインのゆくえ

Fontana di Trevi (settembre, 2009)

ローマのトレードマーク、トレヴィの泉。後ろ向きのコイン投げは、もはや都市伝説といえるのではないでしょうか。そして、誰もが一度は考えたことがあるはず。あのコインはどこへ行くのか、と。その答えを見つけました。↓

トレビの泉に投げ込まれたコインはどこにいくの?

コインたちの行き先は、Caritas(カリタス)というカトリック系NGOだそうです。国際カリタス Caritas Internationalis はヴァティカンに本部を置く世界的な組織で、日本にもカリタスジャパンという会員組織があります。トレヴィの泉のコインたちが、ヴァティカンの本部に寄付されるのか、カリタスイタリア Caritas Italiana に寄付されるのか、記事を読んだだけではわかりませんが(推察するにおそらく後者?)、どちらにしても年間約8千万~1億円とはバカにならない金額。それだけ多くの人が、またローマに戻ってきたいと思っているということなのでしょうね。

caritas とは charity の語源となったラテン語。コインに託された旅人の思いが、めぐり巡って charity に生かされるなら、都市伝説にノセられるのもまんざらではないなと思います。(ちなみに私は毎回必ずノセられることにしております。)私がやっているNPOにもどこかの泉からコインが流れてこないかしら!!?

2009-11-18

贅をつくした夢のあと―Villa d’EsteとVilla Adriana

久しぶりのイタリア2009旅日記。水の都、石の都(花の都ともいう)と来れば、締めは当然、永遠の都です。何度来ても、何度歩いても飽くことのない街。イタリアへの愛は、やっぱりローマに通じます。1996年2月、最初のイタリア旅行の、最初の街がローマでした。夜のローマ市街をバスでホテルに向かう道すがら、ライトアップされたコロッセオを見たときの驚異と感動は、一生忘れることができません。が、しかし、今回はローマ市内よりも郊外へと決めていたので、市内めぐりはやめて、ずっと行きたかったティヴォリへ。オスティア・アンティカも捨て難かったのですが、初志貫徹でティヴォリに決定しました。

地下鉄B線の Ponte Mammolo からバスを乗り継いで 、まずは Villa d'Este に到着。16世紀中ごろ、エステ家出身の枢機卿イッポーリト・デステが隠遁生活のために建造したこの別荘は、これでもかというほど贅沢に水を駆使した広大な庭園を誇り、まだまだ暑い9月上旬にもかかわらず、至るところに吹き上げる水しぶきのおかげで、とても涼やかでした。敷地内には500以上の噴水があるそうです。庭内を歩いていると、ふとルネサンス風の衣装を着けて恋人と散歩する貴婦人のイメージが湧き、ひと時タイムトリップ。そんなコスプレをぜひ体験してみたいと思う、時代衣装好き、民族衣装好きの私でありました。

 
 
 
Villa d'Este

Villa d'Este からさらにバスを乗りついで、次にめざすはヴィラ・アドリアーナ Villa Adriana。在位中、広大な領地をくまなく視察してまわったローマ皇帝ハドリアヌス(76-138、在位117-138)が、旅の先々で魅了された各地の風景を集めて再現した理想郷です。神殿や浴場、劇場から養魚池、ギリシアやエジプトの建造物など、まさに皇帝の夢が凝縮されたミクロコスモスで、往時の姿はそれ自体一つの街といったものではなかったでしょうか。ハドリアヌス帝以後の皇帝にはあまり使用されることなく廃墟となり、宝物や建材用大理石もずいぶん持ち去られてしまったといいます。今の姿にはさすがに2千年の時の流れを感じずにおれませんが、遺跡や廃墟を歩く醍醐味は、想像力をもってその場を逍遥することだと感じ入りました。当時のままの姿で残っている建造物にも感銘を受けますが、廃墟となったものに立ち会うと、人間や時間などについて、完全な姿で残るものからは感じることのできない、何か特別な感慨を抱きます。じっくり見て回り、十分想像力をはたらかせて味わうには、ゆうに1日必要。Villa d'Este と Villa Adriana のWヘッダーではどちらも駆け足になってしまい、少しもったいなく思いました。次はそれぞれ一日ずつとって、時間を気にせず堪能したいものです。

Villa Adriana (Canopo)

カンポ広場に市が立つ―シエナ礼賛

世界遺産であるシエナ Siena のカンポ広場 Piazza del Campo に、700年の歴史上初めて市が立ったそうです。

イタリア・カンポ広場で初の市場

シエナのカンポ広場といえば、扇形の形状が優美な「世界一美しい広場」と言われ、8月にはイタリア有数のパーリオ Palio (地区対抗の競馬祭)が開かれることでも有名です。1997年の夏、パーリオ開催直前のシエナへ行ったことがありますが、パーリオを控えて観光客であふれる街の活気とともに、この街の文化水準の高さに目を瞠ったことが忘れられません。中でもシエナ大聖堂 Duomo di Siena に足を踏み入れたときには、ただただ「ドッカ~ン」という音が頭上で鳴り響きました。自分のボキャ貧が情けなくなりましたが、その時の驚嘆や感銘を表す言葉は、今でも見つかっていません。かつてフィレンツェのライバルでもあったこの街が、いかに力をもっていたかは、何の説明を聞かずともこの大聖堂を見れば分かります。イタリア中小都市の底力を見せつけられた1日旅行でした。

同じトスカーナでも、シエナにはフィレンツェとはかなり違う美術の伝統があります。ゴシック的な特徴を多く残すシエナ派 scuola senese の絵画は、ルネサンスの先鋒フィレンツェ派に比べると一見古風な印象を与えますが、実際にシエナの街を歩いてみると、往時はさぞかしパワフルでエネルギッシュであっただろうこの街に、ゴシック的な繊細さが何ともいえない優美さをもたらしていたのではないかと思えて、この街にはこの絵画でなければならなかった必然性のようなものを感じました。

人口規模(5万人強)で見れば決して大きい街ではありませんが、シエナ大学やシエナ外国人大学、キジアーナ音楽院 Accademia Musicale Chigiana などの学術・文化機関を擁し、学生や留学生も多く、若者の多い街だということです。また、1472年創立のモンテ・デイ・パスキ・ディ・シエナ銀行 Banca Monte dei Paschi di Siena は、欧州最古の銀行の一つで、今なお当地に本拠を置くイタリア有数の銀行です。シエナ繁栄の基礎を築いた立役者であり、息の長い地道なメセナも行っているようです。

イタリアでどこが一番好き?と聞かれると、私はとても一つに絞ることができないのですが、シエナは紛れもなく最も好きな街に入ります。中小規模の街では一番好きと言ってもいいかもしれません。いつかシエナに長期滞在し、イタリアの都市(の魅力)をじっくり研究したい、たった1日の訪問以来、ずっとそんな思いを抱き続けている街です。

2009-11-15

日本文化再発見?ステレオタイプ再確認?―メディアフォーラム2009

11月11日(水)、大阪国際交流センター(谷町9丁目)で開かれたメディアフォーラム2009を聞きにいきました(主催:関西プレスクラブ、関西広域機構 関西広報センター[KIPPO]、大阪国際交流センター)。テーマは、「日本の文化“再発見”~関西で活躍する外国人の視点から~」。文化・学術方面で活躍する関西在住の外国人4人が登場、前半は各出演者によるプレゼンテーション、後半はパネルディスカッションでした。出演者はそれぞれ、フードジャーナリスト(イギリス出身)、筑前琵琶奏者・音楽学者(スイス出身)、マンガ・アニメを研究する社会学者(ベルギー出身)、国際観光推進員(カナダ出身)で、ABCのアナウンサーがコーディネーターを努めていました。

私は後半のパネルディスカッションから参加したので、前半のことはわかりませんが、後半について言う限り、「ちょっとお粗末じゃないの」。これはひとえに、今回のテーマに対してコーディネーターが不適任であったことによると思います。のっけから、「私はずっとスポーツ担当で、文化のことはわかりません。私でいいのかなという感じですが、客席の皆さんと同じ目線でお聞きできるかな、と思います」というような、開き直りにも似たスタート。事実、以後の展開はそれを証明するもので、コーディネーターの質問から引き出される返答は、欧米人なら日本のこういうことには当然ギャップを感じただろう、という予測がつくものばかり(料理、街や人の慌しさ等)。日本文化再発見というよりは、ステレオタイプ再確認といった方がよいような、中途半端なバラエティ番組の延長といった内容で、何ら深みのある知見が引き出されていませんでした。壇上のパネリストたちにも、フラストレーションを感じていた節が見受けられ…。
しかも、基本的にプレスやメディア関係者対象のフォーラムなので、参加者の大半は今回のテーマに一定以上の知識をもつ人だったはず。そうした参加者層を考えると、なおさらコーディネーターの切り口はお粗末だったし、そのような人選をした主催者の見識も問われようというものです。実際、途中退席する参加者もかなりいました。シンポジウムとはコーディネーターの力量によってこれほど左右されるものか、というケーススタディのようなフォーラムでした。

ついでながら、テーマ設定そのものも「今さら…」の感ありで、パネリストが欧米の方ばかりというのも不自然に感じた次第。約1ヶ月ぶりの投稿がネガティブモードなのは自分としても不本意ですが、あまりにお粗末さに愕然としたので、あきれついで書いてしまいました。以上。

発音と発声

イタリア語は、日本人には発音しやすいと言われています。英語やフランス語に比べると、確かにそうかもしれません。基本的に母音ドミナントの言語で、あいまいな音も少なく、綴りはローマ字に近いので、割合にとっつきやすい。が、大きく違うと思うものがあります。それは、発声です。ネイティブのイタリア人のしゃべりを聞くたびに、イタリア語は本当にお腹から声を出す言語だなあ、と感じます。イタリア語と日本語の発音は比較的近いかもしれませんが、イタリア人と日本人の発声はひじょうに違うのです。母音の中でも特に u は、日本語の「う」では全く通じませんが、極端なぐらい口を突き出して、腹式呼吸で「うー」と言うと通じます。

英語でもそうですが、舌の位置がどうとか、口の開き具合とか、細部だけにいくらこだわっても通じないことは多いものです。むしろ英語なら強弱アクセントを極端なぐらいにするとか、イタリア語なら極端なぐらいのイントネーションをつけるとか。そして、発声。舌でしゃべろうと思わずに、下腹部にぐっと力を込め、喉を大きく開いて、大きな空気の柱を吐き出すつもりでしゃべると、ぐっとイタリア語度がアップするように思います。実はコレ、昔、クラリネットを吹いていたときに、先輩に言われた呼吸のイメージ。イタリア語は、歌を歌ったり管楽器を吹いたりするときの呼吸法をイメージすると、ひじょうに話しやすくなり、気分もイタリア語モードになります。やっぱり musicale な言葉なのかもしれません。

ここのところ何だか、隔日イタリア!になってます(^^;)。ま、ここは一つ、有名なイタリアのことわざにあやかって、、、

Chi va piano, va sano e va lontano. (ゆっくり行く者は元気で遠くまで行く。)

Ciao a presto!

2009-11-13

ピサ?ピザ?―街と食べもの

12年前、アッシジで2週間ほどのステイをしていたとき。午前は語学研修、午後はエクスカーションというプログラムで、時々フリータイムもありました。 あるフリーの日、仲間たちとフィレンツェ~ピサの小旅行へ。帰ってくると、ステイ先の若いシニョーラが、

-Oggi siete andate a Pisa?      今日はピザ~に行ったんですって?
-Piza!?(Pizza!??)Ahhh, Pisa!! Si.   ピザ…!?(Pizza??)あ~、Pisa!そーです。

 
ピサの大聖堂と鐘楼(斜塔)。1997年8月撮影。

Pisaは、いわずと知れた斜塔の街。日本語ではふつうピサと言っていますが、イタリア語の発音はピザ~(後にアクセント)。イタリア語では、母音にはさまれた s の音は濁ります。知っていても一瞬分からず、ピザを食べに行ったかと聞きたいのか、、、などとトンチンカンなことを考えてしまいました。PisaもPizzaもなじみが深いだけに、一瞬混乱したのです。

なお、ご存知のとおりイタリア語でピザ(食べ物)は、pizza(ピッツァ)。イタリア語でピザと言われたら、pizzaではなく、斜塔のある街のことですので、お間違いなく!


pizza2種。極薄生地と厚生地。ローマにて。

2009-11-11

食べる宝石!?10万ユーロの白トリュフ

東のマツタケ、西のトリュフ tartufo といえば、秋の味覚を代表する高級食材。世界にはキノコ好きの民族とそうでない民族がいて、日本人はキノコ好き、西洋人ならラテン系はキノコ好き、ゲルマン系は(伝統的には)キノコを食べなかった、と、かつて何かの料理の本で読んだことがあります。

まぎれもなくキノコ好きに分類されるイタリア、ピエモンテ州アルバで開かれる白トリュフ市 Fiera Nazionale del Tartufo Bianco d'Alba にて、最高級白トリュフが10万ユーロ(約1350万円)で落札されたそうです。
重さ750グラムの白トリュフ、約1400万円で落札 イタリア

高級とはいえ、ともすれば家一軒建つぐらいの値段。どんな人のお腹に収まるのでしょう。それとも、(たぶん)史上最高値のキノコとして永久保存されるのでしょうか!?

さて、私のペンネームと同じ名のこの町、約2000年の歴史をもつようです。(イタリアでは全然珍しいことではありません。)ピエモンテはトリュフの名産地ですが、その中でもアルバの白トリュフは、とびきりの高級品として世界に知られているのですね。白トリュフ市は、毎年10月初め~11月初めの約1ヶ月間にわたって開催され、期間中はさまざまな関連イベントや伝統行事も催されるようですから、町はずいぶん賑わうことでしょう。小さな町でも、世界に誇れるこういうキラーコンテンツをもっているところは強いですね。このイベント期間中に、世界に向けてさまざまな発信をすることができます。しかも毎年の恒例行事ですから、継続的に発信できる。継続は力なり。単発の大規模イベントよりも、小規模でも継続的で開催する必然性のあるイベントの方が、長い目で見れば町のブランディングにはプラスをもたらすことが多いのです。トリュフは自然のものですが、それを大事にしてきたのは町の人たちですから、アルバの人たちの努力に敬意を表します。

また、アルバ人といえば、ローマ人と戦った部族の名前でもあり、ローマ人とアルバ人の戦いに取材したダヴィッドの名画<ホラティウス兄弟の誓い>もあります。アルバ人は敗れる方ですが。ALBAとは、イタリア語で「夜明け」の意味。Aで始まりAで終わる開放的な音と、その意味に惹かれ、10年以上前、初めて自分のサイトをつくったとき、自分の人生も明るく開けていきますように、との願いを込めて名づけたことを思い出しました。

2009-11-10

passare il Rubicone―ルビコン川を渡る

シーザーはルビコン川を渡る…かくして、賽は投げられた!(jacta alea est)

名は知られているわりに、実際どんな川か知られていない。それがルビコン川かと。

カエサルという世界史きっての英雄が決死の覚悟で越えたのだから、さぞかし難所なのだろう(越すに越されぬ大井川、みたいな?)と思うとアテが外れて、実物は全長50kmほどの川。エミリア=ロマーニャ州フォルリ・チェゼーナ県にあるこの川の名声は、完全に歴史的な事情に由来しています。

カエサルの時代(共和制末期のローマ)、ここは共和国本国と属州の境界で、軍団を伴ってこの川を渡って南下することは、法律で禁じられていました。つまり、軍隊とともにこの川を渡ってローマ領内に入ることそれ自体が、共和国への反逆だったのです。敗れれば逆賊になることを知りながら、この小川を越えたというわけですね。

私はルビコン川を渡ったことはありませんが、今から10年ほど前、当地に住んでいたメル友に案内されて、フォルリ=チェゼーナ県をあちこち案内してもらったことがあります。こんな小さな川なら、もしかしたら、知らぬ間に渡っていたのかも?と思ったりして。

誰の人生にも、(カエサルほどでなくとも)ルビコンを渡る passare il Rubicone ようなことが、一度ぐらいあるのかもしれませんね。

※昨日はPCがダウンし、トラブルシューティングにあたふた(未だ復旧ならず)、ブログ休みました。

2009-11-08

アートに親しむグッズ

前に紹介した、ちょっとお茶目なDavide e Venereの着衣バージョンです。


子どもが楽しめるこういうグッズ、なかなか「買い」です。私は子どもはいませんが、美術館に行くと、こうした子ども用アイテムに目がいきます。アートに触れるのは、子どもの頃から自然に遊びながら親しんでいくのが、いちばんだと思うので。

ヨーロッパの美術館に行くと、子どもが美術に親しめる本やグッズが豊富なことに驚嘆します。日本の美術館でも最近はかなり増えてきましたが、残念ながらまだまだヨーロッパには及ばない…。そもそもミュージアムショップの充実度からして違うのですね。日本のミュージアムショップというと、どうもお土産屋とか売店の域を出ないのですが、ヨーロッパの主要ミュージアムに行くと、書籍、雑貨、ポスターからインテリア用品まで、質・量ともにすごいヴォリュームです。名だたるミュージアムならば、ネームバリューによるブランド価値も大きいし、売り上げも相当な額になるのではないかと思います。そして、館の運営にも少なからず貢献しているのではないか、、、と。

しかし、日本のミュージアムも地道に頑張っています。先日行った奈良国立博物館のPCで見られる仏像入門は、なかなか面白かった。本館と別館をつなぐ地下通路、ミュージアムショップの前に端末が数台あります。如来/菩薩/明王/天という主要な仏像の種類について、それぞれの特徴をわかりやすく説明してあります。仏像は種類によって髪型やポーズ、持物が決まっているので、だいたいのことを知っておくと見る楽しみも増します。今は正倉院展(+隣の興福寺の阿修羅展)で激しく混雑していますが(但し平常展は空いてます^o^)、ここは国宝・重文ワンサカ、特に仏教美術の宝庫なので、常設こそ必見のミュージアム。年に一度の正倉院展(11/12まで)も素晴らしいものですが、古都散策がてら奈良博の常設を訪ねてみてください。仏像パワーに癒されること間違いなしです。

2009-11-07

Sto meglio

昨日は急に体調を崩して寝込んでしまいました。で、ブログもお休み。
せっかくなので、体調に関するイタリア語を少しおさらい。

Sono stato/stata male ieri.  昨日は調子が悪かった。
Ho avuto mal di testa e di gola. 頭と喉が痛かった。
Fortunatamente non ho avuto la febbre. 幸い熱はなかった。
Oggi sto un po' meglio. 今日は少し良くなっている。

最初の3つを現在形で言うと、
Sto male oggi. 今日は調子が悪い。
Ho mal di testa e di gola. 頭と喉が痛い。
Fortunatamente non ho la febbre. 幸い熱はない。

E' tutto per oggi. Ciao ciao^_-v

2009-11-05

カメラと日本人

かつて、ほとんど常套的な組み合わせでしたよね。旅先での、カメラ×日本人。この9月、9年ぶりにイタリアに行ったときの感覚的な印象としては、これはもはや過去のこと。今や日本人に限らず、誰も彼もパシャパシャ撮りまくってました。撮影禁止の場所でもおかまいなし。デジカメになって、機械が超コンパクトになり、派手なシャッター音もしないので、いつでもどこでも、片手で手軽に撮れてしまう。“No foto”とガードマンに制止されることもあるけれど、注意されない限り、みんなホントに気にせず撮っていました。

全体的に、10年、15年前と比べて日本人観光客の存在感がずいぶん控えめになったように見受けられました。数はまだまだ多いはずですが、両手に大きなブランドショップの袋をいくつもぶらさげた若い娘、という不釣合いな構図もあまり目につかず…。昨今の経済状態の反映なのか、ブランド品を買い漁るという行動パターンも少なくなってきたのではないかと推測します。ある意味で、正常化したような気がしました。かつてさかんに揶揄されたような悪目立ちぶりは、影を潜めたようでした。

2009-11-04

ちょっとお茶目な、、、

Davide と Venere。着せ替えマグネットです。フィレンツェのアッカデミア美術館(だったかな)で購入。こういうお茶目系グッズは、好きです。小学生の姪にあげたところ、「着せ替えの衣服と本体 がピシッと合えへん(笑)」。「そのアバウトさがイタリアやって」と言うと、「ホンマに~」と納得していました。が、イタリアってどんなとこか分かってるのかなあ!?(着衣イメージはコチラ

  

2009-11-03

徹底イタリア美術ガイド全5冊

ナショジオのガイドブックは1冊でイタリア全土をコンパクトかつポイントをおさえている点、また全篇フルカラーの美しさが秀逸。こちらは美術史家の宮下孝晴さんによる、その名も『徹底イタリア美術案内』。地域別に全5巻の構成で、まさにガイドを超える徹底ガイドです。ルネサンス美術の専門家による本書は、通常のガイドでは載っていないようなスポットも満載。文章は読みやすく、エッセイとしても楽しめます。行き先にあわせて持っていく巻を選ぶとよいですね。

この本は、街歩きのときにカバンに入れて持ち歩くというよりも、その街に行く前の予習や行った後の復習に、じっくり読むものとして使いました。移動中の列車や飛行機、宿泊先のホテルで、翌日の行程を考えたり、行った後にふりかえったりすると、旅の充実感が増します。難はといえば、読めば読むほど、あれもこれも…と見たいもの、行きたいところが増えてきて、行程を決めるのが難しくなることでしょうか。

『宮下孝晴の徹底イタリア美術案内』
●第1巻  北イタリア ヴェネツィア・ミラノ編
●第2巻 北イタリア フィレンツェ・ベルガモ編
●第3巻 北イタリア ボローニャ・シエナ編
●第4巻 南イタリア ローマ・タルクィーニア編
●第5巻 南イタリア ナポリ・シチリア編










2009-11-02

ナショジオのガイドブック

私はあまりガイドブックにこだわらないのですが、今年9月の旅では相方のガイドというミッションがあったので、何冊か持っていきました。その中で、ナショナル・ジオグラフィックのこのガイドは、なかなか使い勝手がよく、役立ちました。コンパクトながら要所要所でかなり詳細説明も入っており、ポイントがきちんとおさえられているのと、一人のライターによって書かれているためか、寄せ集め的な通常の情報本でなく、一貫した読み物としても楽しめました。その分、ライターの主観や嗜好が出ているな、と思う記述もありますが、読み物と考えれば、それもまた興味深く、自分の見方と比べるきっかけにもなります。全ページ、コート紙にフルカラーという体裁なので、同じ厚さの通常のガイドブックと比べるとかなり重いですが、内容の充実度がそれを補って余りあると思います。文化や自然を楽しむ旅のガイドにオススメです。

2009-11-01

イタリア語と音楽

10月から始まったNHKラジオイタリア語講座の応用編、

Salotto Musicale~イタリア音楽への招待~

これ、なかなかいいです。ピアニストである講師の関 孝弘さんが、音楽用語やイタリア音楽を通じて、 言葉に込められた感情やニュアンスを解き明かしてくれます。イタリア語をかじり始めた頃、それまで自分にとって「音楽用語」だった語のどれもが、あまりにも日常生活に密着した言葉であることを実感し、ちょっとしたカルチャーショックを受けたことを思い出しました。

forte, piano, allegro, largo...ご存知のとおり、音楽用語のほとんどはイタリア語。「強く」「弱く」「速く」「遅く」などと習い、単に速度記号や強弱記号と捉えてしまいますが、それぞれに多様な感情の世界を内包しています。forte/pianoなら(物理的、精神的に)力強い/ゆっくり、allegroの陽気さ、快活さ、largoのゆったりとした感じ…などなど。言葉のもつニュアンスを知っていれば、音楽表現もずっと深みを増します。

幼き日、ピアノを習っていた頃、これらの「音楽用語」がイタリア語でこれほど日常的な言葉だとは知る由もありません。あの頃、これらの語がもつ世界を知っていれば、子どもなりにもっと感情を込めて弾くことができただろうなあ、ピアノの練習がもっと楽しかったかもしれないなあ…と今にして思います。

番組で流れる音楽の数々も、イタリアの澄み切った空気と煌めく光を感じさせてくれて、とても気持ちよい。イタリア語学習が目的でなくても、音楽の好きな人、イタリアを感じたい人にはオススメです。NHK語学番組サイトで、前週の放送分を聴くことができます。お試しあれ。

NHKラジオ まいにちイタリア語 (応用編は木・金の放送)