2011-09-28

韓ドラ覚え書―現代ドラマ編


時代劇(史劇)からハマった韓ドラで、今もやはり史劇中心ですが、現代モノもそれなりに見ています。四季シリーズの秋・冬を除けば、超人気ドラマはあまり見ていないませんが、備忘録がてら第2弾を。


怪しい三兄弟
コレ、けっこうハマりました。キム家の三兄弟、コンガン(健康)、ヒョンチャル(現金)、イサン(理想)を軸にしたドタバタコメディ。大学出でプライドだけは高いものの何をやってもうまくいかず、離婚した上に失業中、長男失格の烙印を押されているコンガン。愛より何より金が大事、甘やかされた長男と溺愛された三男に挟まれ母の愛情も薄かったのに、カネの面では何かと頼られ、実質的に長男役をやらされている、損な役回りのヒョンチャル。末っ子の特権で親の愛を一身に受けてまっすぐに育ち、エリート警官街道まっしぐらの正義漢イサン。ここに、厳格だがどこか抜けてる警察官のアボジ、気が強いけど苦労性のオモニ、そして3兄弟のヨメやその家族たちまで絡んで、やたら騒々しいけど、妙に引きずられるノリ。最後は、けっこうサワヤカに終わります。
出演:アン・ネサン、オ・デギュ、イ・ジュンヒョク、ト・ジウォン、キム・ヒジョン、オ・ジウン
http://www.koretame.jp/threebrothers/


マイ・スイート・ソウル
今までみた中で、恋愛モノとしては一番好きです。ドロドロ、コテコテが多い韓流ロマンスの中にあって、ナチュラルな、等身大の女性たちの恋や友情、生活背景が描かれていました。それでも、別人になりすまして生きるワケあり過去をもつ彼氏とか、影のあるエピソードは出てくるのですが。主役のチェ・ガンヒの透明感が印象的◎。
出演:チェ・ガンヒ、イ・ソンギュン、チ・ヒョヌ、ムン・ジョンヒ
http://www.bs4.jp/guide/drama/mysweetseoul/

京城スキャンダル
日本統治下のソウルに暮らす若い男女の人間模様、恋模様。思想も信念もなく目先の快楽に生きる財閥の道楽息子ソヌ・ワン、古典的な道徳観ゆえにチョマジャ(チョソンシデ・マジマ・ヨジャ朝鮮時代最後の女)と呼ばれる熱血愛国女ナ・ヨギョン、売れっ子キーセンにして抗日闘士という顔を持つ美貌のチャ・ソンジュ、変節者の汚名を被りながら朝鮮総督府のエリート官僚として生きるイ・スヒョン…それぞれの人生が交錯する、ほろ苦系ドラマ。レトロでオシャレな雰囲気と、それに似合わずドラマチック展開がけっこう見ごたえありました。思い立ったら命がけ、曲がったことが何より嫌いな鉄火娘ハン・ジミン、ちょっとカッコよすぎるオトナの女ハン・ゴウン…役者もみな役に似合っていて、イイ感じです。
出演:カン・ジファン、ハン・ジミン、リュ・ジン、ハン・ゴウン
http://www.koretame.jp/k-scandal/


冬のソナタ
これぞ、ザ・韓流!?いちおう見ましたです。突っ込みどころ多いし、あまり感情移入もできなかったけど、見てるとつい泣けてしまうのも事実。記憶喪失、出生の秘密、恋人同士→実は兄妹かも疑惑…etc、まさに韓流ドラマ定番エピソードのテンコ盛りです。でも、このドラマと主演俳優が韓国に対するイメージを劇的に塗り替えた…とまでいわれるからには、ドラマの好き嫌いを越えて特別な存在なのかも。
出演:チェ・ジウ、ペ・ヨンジュン、パク・ヨンハ


秋の童話
赤ん坊取り違え、不治の病、兄妹(として育った男女)間の許されない恋愛…やっぱり韓流定番テンコ盛り。どうして最後二人とも死ななきゃならないの?ソン・スンホンまで事故死(自殺?)しなくてもいいのでは??等々の疑問は残るけど、ザ・韓流メロドラマとしてはこれもアリでしょう。
出演:ソン・ヘギョ、ソン・スンホン、ウォンビン
http://www.kbsworld.ne.jp/drama/detail.php?cno=81


サンドゥ、学校へ行こう
おもしろうて やがて悲しき…コメディタッチで始まり、だんだんシリアスになり、最後はえ~っ!二人ともこうなるの~~!!?な展開。後半、ヒロインのコン・ヒョジンが泣きじゃくりすぎの感があり、結末はやっぱりちょっと?がつきますが、韓国では社会現象にまでなったというから、これも韓流ロマンスの王道かな。Rain(ピ)、なかなかいいですよ。
出演:Rain(ピ)、コン・ヒョジン、イ・ドンゴン
http://www.ntv.co.jp/drahan/sangdoo/


フルハウス
ソン・ヘギョかわいい!秋の童話よりこっちのヘギョの方が好きです。Rain(ピ)もいい味出してます。売れない自称・作家♀と売れっ子アイドル♂の紆余曲折ラブの顛末。すれ違いながらも最後は超ラブラブのエンドで、安心してハッピー気分になれるラブコメディ。
出演:Rain(ピ)、ソン・ヘギョ、キム・ソンス
http://www.kbs-tv.jp/program.action?pID=12


勉強の神
韓国版「ドラゴン桜」。楽しめました。時代劇では王子がハマリ役のユ・スンホが、根性のある劣等生を演ってます。可愛いです。個性的な先生たちのシゴキぶりも楽しい。数学の神様チャ・ギボン先生がイチオシ。オリジナルの日本版も見たくなりました。
出演:キム・スロ、ユ・スンホ、コ・アソン、イ・ヒョヌ、ジヨン、ペ・ドゥナ、オ・ユナ
http://www.kbsworld.ne.jp/drama/detail.php?cno=314

偉大な遺産
幼稚園園長であった母の死により、その遺産である園を引き継いだヤクザのカン・ヒョンセ。もちろん彼は幼稚園に関心などなく、さっさとレジャー開発業者に売っ払いたい。が、遺言により幼稚園の補助教師を務めるハメに。業者の買収攻勢にもめげず奮闘する教師や純粋な子どもたちと触れ合っていくうちに、次第に幼稚園を守りたいと思うようになる。反抗心から殆ど絶縁状態だった母の真情も理解するようになり…恋敵とのバトルにも打ち勝って熱血教師ミレとの恋愛も実らせ、真人間になっていく。普通にハートフルなラブコメです。ユ・ミレ役ハン・ジミンの熱血鉄火ぶりが可愛い。
出演:キム・ジェウォン、ハン・ジミン、キム・ジフン、イ・ミスク
http://contents.innolife.net/listd.php?ai_id=8494


熱血商売人
自動車業界を舞台にしのぎを削る辣腕セールスパースンたちの、熱血闘魂物語。海千山千の老獪なオヤジたちがうごめく業界で、猪突猛進型のまっすぐな主人公にちょっとハラハラ、でも後味スッキリのカンフル剤的ドラマ。
出演:パク・ヘジン、チョ・ユニ、チェ・チョロ、チェ・ジョンアン
http://www.kbsworld.ne.jp/drama/detail.php?cno=289


太陽の女
孤児院出身の養女という出生の秘密と義理の妹を置き去りにした過去を秘め、人気キャスターとして華やかに生きる姉ドヨン。ある日、姉と出かけてソウル駅に置き去りにされ、幼少時の記憶を失ったまま、親を知らずに孤児院で育った妹ジヨン。十数年の時を隔てて再会してしまった二人の愛憎・復讐劇です。定番的設定ですが、(血の繫がりのない)姉と妹の物語というのはちょっと珍しいかも。ドヨンとジヨン、どちらに肩入れするかで好き嫌いが分かれそう。
出演:キム・ジス、イ・ハナ、ハン・ジェソク、チョン・ギョウン
http://www.kbsworld.ne.jp/drama/detail.php?cno=196


ピンクのリップスティック
復讐モノ。「チャングム」で親友ヨンセンを演じたパク・ウネが、自分を裏切った夫と親友に対して復讐の鬼と化します。が、どこか鬼になりきれない中途半端さで、ストーリー展開が冗漫だったりしつつ、結末が気になってつい引きずられ…。最後は、今までのドロドロは何だったの?というぐらい、みんな和解の大円団。ま、ハッピーに終われてよかったね。
http://www.bs-asahi.co.jp/lipstick/index.html


セレブの誕生
貧しい母子家庭で育ったが、実は財閥の息子(のハズ)という主人公ソクポンが、アイデンティティとプライドをかけて父親を探す。この道行きに、超シブチンの財閥令嬢シンミとの恋模様や、実の姉かもしれない、超お騒がせ財閥お嬢テヒとの姉弟愛?が絡みます。まあまあ、かな。はじめ頭カラッポの、どうしようもないメイワク女にしか見えなかったテヒ(イ・シヨン)が、だんだん純粋でいじらしく見えてくるのが不思議。
出演:チ・ヒョヌ、イ・ボヨン、ナムグン・ミン、イ・シヨン
http://www.kbsworld.ne.jp/drama/detail.php?cno=329


天下無敵イ・ピョンガン
高句麗時代のピョンガン姫とオンダル将軍の説話を下敷きにした、フュージョン時代劇系ラブコメ。この二人が現代に甦ったら??という設定で、時おり過去にワープしながら、一筋縄でいかない二人の恋愛が展開します。ゴルフリゾートの御曹司オンダルのぶっ飛びトンデモキャラと、ギャンブル好きの母のせいで苦労が絶えない気丈なピョンガンの鉄火ぶりが激突し、周りを巻き込みながら最後は大円団。ピョンガンの妹ピョンオン役の子役が、なっかなか芸達者で可愛い。大人を食った活躍ぶりです。
出演:ナム・サンミ、チ・ヒョヌ、ソ・ドヨン、キム・フンス
http://www.koretame.jp/peongkang/


雪の花
人気作家の母と人気アイドルの娘の葛藤と愛情。娘の父親は在日韓国人という設定ですが、その描写にちょっと無理があり、つい突っ込みたくなってしまう。母娘の愛憎と和解、永遠の別離という苦いテーマですが、全体にイマイチ感が残りました。
出演:キム・ヒエ、コ・アラ、イ・ジェリョン、キム・ギボム

2011-09-05

カンディンスキーとキルトパーティ

かなり旧聞。6月1日&22日、シニアCITYカレッジの美術講座(NPO法人シニア自然大学校主催)でレクチャー&ワークショップを行いました。毎年1~2回さまざまな美術についてお話しする機会をいただいており、いつも大変熱心な受講生の皆さんに触発されます。

これまでは主に西洋の伝統的な美術を取り上げてきましたが、今回は受講2年目のアドバンスコース対象なので、あえてなじみが薄そうな抽象絵画を取り上げました。ちょうど兵庫県立美術館で「カンディンスキーと青騎士」展開催中で、1日は見どころレクチャー&鑑賞、22日は抽象絵画に関するレクチャー&ワークショップを行いました。 

抽象画というのは、今でも多くの人にとって「とっつきにくい」絵画の一つではないでしょうか。何を描いてあるのか?何を考えて描いたのか?何を感じればいいのか?アタマの中にいくつもの「?」が駆けめぐり、どう反応したらいいかわからず、途方に暮れてしまう…「美しい」のかどうかもよくわからない…

けれど、20世紀になって、絵画が抽象にたどりついたのには、それなりの経緯や必然性があるはずです。ロシア出身のワシリー・カンディンスキー(1866-1944)は、抽象絵画の父。しかし、彼が抽象に至るまでには、どのような軌跡があったのでしょうか。それを知ることで、抽象への目もぐっと開かれるでしょう。そういう意味で、此度の展覧会は、抽象誕生のプロセスや各画家の画業の変遷、当時の美術界のダイナミズムなどが重層的に浮かび上がる、とても興味深い展覧会でした。私自身、あらためて抽象との出会いがありました。

 

面白かったのは、22日午後のワークショップ。巨匠の作品を堪能した後は、われこそが巨匠!ということで“自分流”抽象絵画に挑戦しました。アートセラピーの手法を取り入れた、上手下手無用のグル―プワークは大変好評で、会場には参加者の笑いさざめきが響き渡り、ファシリテーターの私まで楽しくなってしまいました。受講者は年配の方が多いので、クレヨンやクレパスを使ったアートワークの反応はどうだろう…と、内心少々不安でしたが、そんな不安もどこ吹く風、各グループみるみる盛り上がり、ちょっとしたパーティさながらでした。


そんな光景を見て、ふと思い浮かんだ言葉が「キルトパーティ」。アメリカ開拓時代、女性たちが集まっておしゃべりに興じながら、大きなパッチワーク・キルトを仕上げる、あのキルトパーティです。手を動かしていると自然と話も弾みますし、アートワークならば描いたモチーフをネタにしていろいろと会話が発展していきます。老若男女問わず、こんなふうにアートしながらコミュニケーションもできる場があれば、脳も心も活性化するはず。コミュニティの中に、そのようなスポットがあれば…!仕掛けを考えているところです。