そんなインドの最大の印象。
道が凄い。
路上が凄い。
タージ・マハルもジャンタル・マンタルもアンベール城もすごいが、インドの何がすごいって、道が凄いのだ。そこで、ナマの印象が生きているうちに、何はともあれインドの道について書いておきたい。
野良ウシ@高速道路脇
野良サル@高速道路脇
インドの道路は凄い。今まで行ったアジアのどの街とも違う。交通量が多いのは、アジアの都市共通の現象だが、路上でのバラエティが桁違いなのだ。クルマ、リクシャー(オート三輪タクシー)、バイク(人数無制限!?)、ヒト、ウシ、犬、サル、ロバ、馬車…およそ動くものほどんどすべてがひしめいている。クラクションは常時鳴り響き、ウィンカーは殆ど出さない。信号は必要最小限しかなく、無視も日常茶飯事。バイクは3人乗りスタンダード、50ccの原付に一家5人乗りとかも決して珍しくはない。母親の腕からずり落ちそうなベビーを乗せて疾走するファミリーバイク、サリー姿の女性がノーヘルメットで後部に横乗りしている光景もごくありふれたもので、日本ではおよそ許容されないドライビングシーンの数々。
高速道路も然り。そもそもインドの高速道路は、自動車専用道路ではない。(法律上は知らないが…)高速といっても、高架であったりフェンスで仕切られているわけではないので、ヒト、ウシ、サル、手押し車、馬車・・・基本的に何でも出入り自由なのだ。人も普通に横切っていったりする。集落がある辺りでは横断歩道があり、スピードダウンを促すために、車の走行を遮るような形で衝立が置いてあったり。(減速しながら衝立の間を通り抜ける。)構造的にも完全な一方通行仕様になっていないので、反対車線の車やUターンした車がひょこっと逆走してくることもある。軟弱な乗客たるわれわれはギョッとして肝を冷やすが、ドライバーもガイドも表情一つ変えない。そんなスリリングな高速の路肩や分離帯では、のんびりとウシが寝そべっていたり、草を食んでいる。
―あ、あのぉ、高速に人が入ってもいいんですか… ・o・/
―え、えっと、高速にもウシがいるんですね… f^_^;
―(間)それがインドですよ(微笑)
野暮な私の質問に、ボードガヤー(ブッダガヤ)出身の仏教徒だというガイドのG氏は、菩薩の微笑を湛えて答えた。パーフェクト・アンサーだと思った。これ以上端的にインドを物語る答えはないと思った。
ヒトもクルマも動物も、自分たちの動きたいように動く(ように見える)。至る所で接触や衝突が起こっていても不思議でない状況と映るが、意外にも事故はなく、ドライバーの喧嘩やもめ事もない。(少なくとも4日間、一度も見なかった。)
一見カオスに見える路上には、確かに「秩序」があった。そのあり方が私たちの考える秩序と大きく異なるということであって、「カオス」とは違う。
ヒトも動物も、老いも若きも、ありとあらゆる生きとし生けるものがひしめきあう路上。それは不思議に開かれた場所だった。厳格な身分制度や激しい経済格差が存在するインドにあって、路上は不思議に自由なオーラを放っていた。
■旅のあしあと *は世界遺産
August 18, Sat. KIX→Delhi, Indira Gandhi Intl.Airport
August 19, Sun. Delhi→Jaipur
ラクシュミーナーラーヤン寺院、フマユーン廟*、クトゥブ・ミナール*
August 20, Mon. Jaipur
ハワ・マハル(風の宮殿)、シティ・パレス(マハラジャの居城)、ジャンタル・マンタル(天文台)*、アンベール城*
August 21, Tue. Japiur→Agra
ファテープル・シークリー*、アグラ城塞*、タージ・マハル*(正面反対側の川の対岸から)
August 22, Wed. Agra→Delhi
タージ・マハル*(入場観光)
August 23, Thu. KIX着