2009-11-10

passare il Rubicone―ルビコン川を渡る

シーザーはルビコン川を渡る…かくして、賽は投げられた!(jacta alea est)

名は知られているわりに、実際どんな川か知られていない。それがルビコン川かと。

カエサルという世界史きっての英雄が決死の覚悟で越えたのだから、さぞかし難所なのだろう(越すに越されぬ大井川、みたいな?)と思うとアテが外れて、実物は全長50kmほどの川。エミリア=ロマーニャ州フォルリ・チェゼーナ県にあるこの川の名声は、完全に歴史的な事情に由来しています。

カエサルの時代(共和制末期のローマ)、ここは共和国本国と属州の境界で、軍団を伴ってこの川を渡って南下することは、法律で禁じられていました。つまり、軍隊とともにこの川を渡ってローマ領内に入ることそれ自体が、共和国への反逆だったのです。敗れれば逆賊になることを知りながら、この小川を越えたというわけですね。

私はルビコン川を渡ったことはありませんが、今から10年ほど前、当地に住んでいたメル友に案内されて、フォルリ=チェゼーナ県をあちこち案内してもらったことがあります。こんな小さな川なら、もしかしたら、知らぬ間に渡っていたのかも?と思ったりして。

誰の人生にも、(カエサルほどでなくとも)ルビコンを渡る passare il Rubicone ようなことが、一度ぐらいあるのかもしれませんね。

※昨日はPCがダウンし、トラブルシューティングにあたふた(未だ復旧ならず)、ブログ休みました。

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