2009-11-15

日本文化再発見?ステレオタイプ再確認?―メディアフォーラム2009

11月11日(水)、大阪国際交流センター(谷町9丁目)で開かれたメディアフォーラム2009を聞きにいきました(主催:関西プレスクラブ、関西広域機構 関西広報センター[KIPPO]、大阪国際交流センター)。テーマは、「日本の文化“再発見”~関西で活躍する外国人の視点から~」。文化・学術方面で活躍する関西在住の外国人4人が登場、前半は各出演者によるプレゼンテーション、後半はパネルディスカッションでした。出演者はそれぞれ、フードジャーナリスト(イギリス出身)、筑前琵琶奏者・音楽学者(スイス出身)、マンガ・アニメを研究する社会学者(ベルギー出身)、国際観光推進員(カナダ出身)で、ABCのアナウンサーがコーディネーターを努めていました。

私は後半のパネルディスカッションから参加したので、前半のことはわかりませんが、後半について言う限り、「ちょっとお粗末じゃないの」。これはひとえに、今回のテーマに対してコーディネーターが不適任であったことによると思います。のっけから、「私はずっとスポーツ担当で、文化のことはわかりません。私でいいのかなという感じですが、客席の皆さんと同じ目線でお聞きできるかな、と思います」というような、開き直りにも似たスタート。事実、以後の展開はそれを証明するもので、コーディネーターの質問から引き出される返答は、欧米人なら日本のこういうことには当然ギャップを感じただろう、という予測がつくものばかり(料理、街や人の慌しさ等)。日本文化再発見というよりは、ステレオタイプ再確認といった方がよいような、中途半端なバラエティ番組の延長といった内容で、何ら深みのある知見が引き出されていませんでした。壇上のパネリストたちにも、フラストレーションを感じていた節が見受けられ…。
しかも、基本的にプレスやメディア関係者対象のフォーラムなので、参加者の大半は今回のテーマに一定以上の知識をもつ人だったはず。そうした参加者層を考えると、なおさらコーディネーターの切り口はお粗末だったし、そのような人選をした主催者の見識も問われようというものです。実際、途中退席する参加者もかなりいました。シンポジウムとはコーディネーターの力量によってこれほど左右されるものか、というケーススタディのようなフォーラムでした。

ついでながら、テーマ設定そのものも「今さら…」の感ありで、パネリストが欧米の方ばかりというのも不自然に感じた次第。約1ヶ月ぶりの投稿がネガティブモードなのは自分としても不本意ですが、あまりにお粗末さに愕然としたので、あきれついで書いてしまいました。以上。

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