
話をスタバに戻すと、私が高校の英語教師をしていたころ、シアトル出身の同僚がよく“I miss Starbucks coffee.”とつぶやいていました。当時は日本進出して間もない頃で、東京にチラホラ、関西には店舗はほとんどなかったのです。その後破竹の勢いで増え始め、10年も経たないうちに至るところスタバを見かけるようになりました。スタバというと、生徒たちに出身地シアトルの紹介をするたび Starbucks と Microsoft を挙げていた彼女を思い出します。
ふーむ、Starbucks ってそんな旨いのか、イタリアのコーヒーより旨いのだろうか、と思っていたら、一方でアメリカ在住経験のある人からは、Starbucks がなぜアメリカであれほど受けたか、それは従来のアメリカのコーヒーがあまりにもヒドかったからだ、というような話を聞いたこともあります。それまでアメリカでコーヒーといえば、淹れてから何十分も放置され、煮詰まったものが普通だったところに、挽きたて、淹れたてのコーヒーを出す Starbukcs が現れ、アッという間にグルメコーヒーとして広まった、と。ならば、独自の焙煎やドリップに凝る職人肌のマスターが黙々とやっている喫茶店の伝統がある日本では、それほどのインパクトはないかなと思っていたら、あれよあれよという間に広まっていきました。私自身はそれほどスタバを利用しないのですが、コーヒー一杯で友人とちょっと長話したいときなど^_^;重宝しています。
ちなみに、件の講演で提示された資料に、世界各国のスタバ店舗数のデータがありましたが、上位20カ国ほどの中にイタリアとフランスは見当たりませんでした。やはり、もとから旨~いコーヒーのある国では、スタバもあまり需要がないということでしょうか。スタバの経営理念や経営方針は立派だと思いますが、もしイタリアのバールがスタバに駆逐されてしまったとしたら…それはちょっと考えたくないシチュエーションです。これからも、スタバはスタバの、バールはバールの、それぞれの道を歩いていってほしいものです。
0 件のコメント:
コメントを投稿