2015-09-28

思いがけずアートフル!シルバーウィーク日記

いつからかシルバーウィークなる呼称が定着した秋の連休。もろもろで自由時間は少なかったのですが、気がつけば東京で2つ、京都で3つ、展覧会をハシゴ。思いがけずアートフルなシルバーウィークとなりました。

前半は東京で学会の合間をぬって東京都美術館のモネ展→キュッパのびじゅつかん。永青文庫の春画展も行きたかったのですが、時間の都合で残念ながらabandon。
帰阪後、京都市美術館でルーブル展→マグリット展→さらに京都文化博物館でレオナルドとアンギアーリの戦い展と1日に3つハシゴ。

モネ展では約20年ぶりに「印象、日の出」と再会。フランの時代にマルモッタンで見たはずですが、残念ながらあまり“印象”に残っておらず…(^^;)睡蓮の巨大壁画のインパクトが自分の中でかなり大きかったので、他は霞んでしまったのかもしれません。しかし、あらためてこの小さな絵が美術の、あるいは視覚の常識を塗り替えたのだと思うと、しみじみと感慨深く。。。絵の向こうの若きモネと対話したような感覚を覚えました。

ルーブル展は終了間近ということもあり、予想どおりの混雑。チケットを持っていても同じ列に並ばなばならないことに一抹の割り切れなさを感じつつ、炎天下で待つこと90分。日焼けの気になる美術鑑賞でしたが、フェルメールやブリューゲル、マセイス、ティツィアーノなど名だたる巨匠のマスターピースに対面できたのは幸せでした。風俗画がメインなので比較的小規模な作品が多く、コッテリ巨大な歴史画や宗教画うじゃうじゃよりもカジュアル感覚で見られて、長時間並んだ割には鑑賞後の疲労は少なかったと思います(笑)

ルーブルの余波もあってか同時開催のマグリットもかなりの混雑ぶり。マグリットは日本でも何度か回顧展が開かれているので、これまでにもまとまって見ていますが、終戦直後の作品など、いわゆるマグリットっぽくない作品にマグリットの軌跡が垣間見えて興味深い内容でした。

いずれも充実の展覧会でしたが、個人的にいちばん面白かったのは、気合一発、根性ひと押しで岡崎公園から三条通りの京都文博まで徒歩でハシゴしたアンギアーリの戦い展。《アンギアーリの戦い》というのは、レオナルドvsミケランジェロのスーパーウルトラ芸術対決が見られたかもしれない、幻の壁画作品ですが、戦闘画の系譜や当時のフィレンツェの文化・政治の状況などが手に取るようにわかり、なかなか臨場感がありました。この芸術対決の仕掛け人がマキャベッリだったとは!うーむ、芸術のみならずあらゆる面において巨人たちが交差しあう時代だったのだなあと、歴史の大波にしばし身を任せ…フィレンツェ政庁(ヴェッキオ宮殿)やヴェッキオ橋、シニョーリア広場を行き交う偉人の姿が瞼に浮かび、贅沢なモウソウのひとときを楽しみました。

秋は展覧会のハイシーズン。まだまだ注目の展覧会が目白押しなので、できる限り足を運び、目と脳と心にたっぷり滋養をチャージしようと思います。


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